ゴク・・・・
つ・・・ついにこの日が来るとは・・
皆さん、聞いてください。
ついにうちの子、塾に行きます・・・
「衝撃の事実をサラっと出してくるよな。」
「もう私たちの役目も終わりでしょうか。」
「けなす相手いなくなるのもつまんねーよな」
まあ、そんな事言わないでよ。
あんた、単発の「ちょっとだけ」塾だから。あの、経験つーか、一生の思い出っつーか、hanaへのエンターテインメントつーか、ね。
なんでまた急に塾に行く事になったのか。
「仲間だと思っていたのに」
「所詮ビンボーじゃなかったのね」
「裏切られた気分です」
ごめんなさい、すんません。
皆さん、塾無し受験を期待して下さっていたのに。
でもね、うちも、本気なのね。hanaをどうしても合格させてやりたいし、そのためにはあらゆる事やっていきたいって思ってるんです。
「塾で学力や偏差値を上げる」、
というよりは、頑張っているhanaのために、少しでもモチベーション上げてほしくて。
塾の先生の話だとか、そこに当たり前のように通っている生徒さん達を見て来てほしくて。
塾の独特の感じ。
雰囲気。
親に大切に大切に育てられて来たであろう、サラブレッドなお子さんが並ぶ、あの雰囲気に。
そして、少しでも情報を仕入れて欲しかった。
塾ならではの「あの学校はこんなところ」みたいな情報。
hanaが、目標に向かって夢を膨らませながら努力できるなら、そっちの方が絶対良いもの。バカなママ子では教えるのが限界だった事も、ほんの少し教えてもらえれば。
定期的に通うわけじゃないの。
ほんの少しだけ。
無駄かもしんない。
お月謝をドブに捨てるって思った方がいいのかもしれないよね。
だけど、経験させてあげたくて。
頑張っているhanaに、塾ってこういう所なんだよ、て見てほしくて。
裕福な皆さんにとっては、ミソッカスレベルの数万円ですが、ママ子にとってはへそくり中のへそくり。将来のため、内緒でほんの少しずつ貯めていたお金。そのお金を切り崩し、今まさにわが子が塾へと飛び立つわけであります。
ATMの前で狼狽するオバサン
決死の思いで、へそくりが入った封筒を確認。
今時、銀行に預金するでもなく、ママ子はへそくりを封筒に入れて、引き出しの奥に隠し持っていた。
そして、少しずつ貯めていたのだ。
大事だった。生活費が足りなくなって使って戻してを繰り返していたので、減る事も多々あったが、少しずつ少しずつ、10年ほどかけて貯めていた。
いつも、へそくりのお金を、ピン札に変えていたから、全部新券。きれいな一万円札だ。見るたびに、きれいだなって思ってたし、見るたびにこれに帯ついてると、100万円なんだな、って思った。
ぺなぺなの封筒。全然膨らまない封筒。
だけど、hanaのための数万円の塾代は、ここからイケそうなのだ。
hanaのためならこの命も差し出す事ができるんだもの。
お金だって。
ママ子の夢と希望なんて、このペナペナの封筒で叶うわけないし。
それだったらhanaのために今こそ使うべき。
ね。ドカーンと行きましょ!
銀行にお金を振り込みに行く。
鼻息荒くして、いざ、ATMの前。お振込みのボタンを押すと、ガーッとお札入れが開いた。お金をそろえて入れ・・・
入れ・・・・
あ、あれ?ちょっと、ちょっと待ちなさいよ、ね。この手がホラ、震えてるぅううう!
ちょっと一回休もうか、ね。
「もう一度最初からやり直してください」
こ、コラ!
hanaのために命も差し出すってさっき言ったじゃねーか。なんつー強欲。お金への欲深さ。本当にもう、執着がすごいっつーか、金に汚いっつーか。
マジでお前、母親かよ!ばかやろ、このバカ!自己嫌悪である。こんな所で躊躇するなんて。
「好きで貧乏になったわけじゃないもん」
「なんでこんなにお金が無いんだろう」
「なんで私がこんな目に遭わなくちゃいけないんだろう」
色んな汚い気持ちが溢れ出て来てしまった。タンマして、10年分のこの汗と涙のへそくりをもう一度見る。全額無くなるわけじゃない。自分の夢が少し遠くなるだけ。最初っから叶うわけない夢だし。そんなの、hanaの未来に比べたら下らな過ぎてバカみたいな夢なのに。こんなに自分がお金に汚い人間だと思わなかった。これが、我が家が貧乏な理由なのかもしれない。
だから私はダメなんだな。
深呼吸する。大きい銀行に来て良かった。ママ子の後ろが大行列になるという惨事を防げて良かった。
意を決して、願いを込める。
お願いだからhanaの未来が開けますように。合格できますように。
hanaが幸せな中学校生活送れますように。
「おいおい、賽銭じゃねーんだから。」
ATMの前で手を合わせそうになるけど、そこはグッと我慢。
これ以上怪しさ増したら、警備員のおじさん来ちゃう来ちゃう。
後ろを振り向くと、目が合った。あ・・・ホラ・・・なんか怪しまれてるじゃん。
もう一度、振り込み。
さっきと同じペースでガーっとお札入れが開く。
今度は手が震えない。
hanaの笑顔と幸せを思う。
ごめんね、hana。
躊躇した愚かなママ子を許して。
あっという間にお金はATMの箱の中に吸い込まれていった。
塾に通わせている親御さんは、こういう事を毎月やってるのかと思うと、本当にもう、命削ってるよな。心臓に悪いよ。頭下がります。
あまりの緊張に、ママ子、少しクラクラと貧血気味になりながら銀行を出た。
ずいぶん時間が経ったような気がした。10分もいなかったであろうに、足がガクガクした。
なんかもう、ドっと疲れた。銀行でこんなに疲れたの初めて。おばあちゃん御用達の椅子付きのお買い物カート欲しいです。ママ子も。休みたい。道端で。
そんなこんなで、「なんちゃって」で塾通い。
憧れの塾へ、ほんのちょびっとだけ通う事になりました。
もちろん、塾に期待することと言ったら、hanaのやる気がアップしますように!ってぐらいなので、学力がつくとも、偏差値が劇的にアップするとも思っていないんだ。だけど、それでも、hanaの願いをかなえてやりたいって思った。日々の勉強の時間を無駄にする事が無いように、自宅学習のペースは今までのまんま。
少しでもhanaにとって合格が近くなると嬉しいけれども。
どうなるかな。
現実を思い知って撃沈するのは・・・
二月じゃなくて、良かったよね。
コメント
こんにちは。
もしかして!もしかして!あそこですか?
チビはU先生とO先生のお話、本当に大好きでしたよ。
今でも前を通るたびに「6年生のふりして授業受けたいな~」って言ってます。
お金を振り込むとき躊躇するの、わかります。
わたしの場合はスマホからの振込でしたが、何度画面を閉じたことか・・・・。
・チビの母さま
アドバイスを頂いて、色々考えて決めました。ありがとうございます!!どこの塾かは、あえてここでは公表できないんですが、本当に、感謝しています。
やっぱり、振り込む時、勇気必要ですよね~!!若き日のバレンタインと同じ熱量の動悸息切れしました。
スマホ画面での振り込みも、指震えそうですね。
子どものためだと、親は何だってできるんですけど、そうなんですけどね、そこまでの葛藤も壮絶なんですよね。
我が家は貧乏なので、特にそうでした。
子どものためなのに、って思いながら、本当に気合い。清水の舞台から飛び降りました(笑)
ついに!!決心されたのですね(^^)
夏期講習ですか?
雰囲気を知る。場数を踏む。たとえ短期であっても、本番までにやるとやらないでは大違いだと思います。
うちもなかなか踏ん切りが付かず、、このままズルズルと5年生の夏休みを過ごすところでしたが、自称カレシとやらができ、毎日毎日男女入り乱れで遊び呆け、勉強始めりゃインターホンが鳴る…という最悪の環境なので、個別の夏期講習を申し込んだところです。
遊びから引き離すなんて理由で塾デビューするのは心外ですが(>_<)
小学生最後の夏休み、勝負の小6夏休み。hanaちゃんにとって、一つでも二つでも収穫があればいいですね!続報、期待しています(笑)
・エリさま
えぇえええええええ!!!
か、カレシとは!!今ドキの小学生、スゴイですね。エリ様のお嬢様は、きっと可愛くて時代に調和しているんだろうなあ・・・
そうやって密度濃く遊ぶ経験も、人生において大事なものになると思うんですが、親としては・・・気持ちわかりますー(つд⊂)
hanaは、その世界からは遠いところに来てしまいました。もはや、愛も恋も捨てちゃって・・・それはそれで切ないんですが、「運は中学生まで取っておく!」と公言して、ひたすら自宅で読書とベンキョー・・・ただ、ダラダラとやっているので、ビシっとした勉強ができるのは、やっぱり塾ですよね。
本当にバカブログにお立ち寄り頂いて、いつもありがとうございます。続報、良いネタ提供できるように、リサーチ頑張ります(笑)
はなちゃんの塾通い、おめでとさんです。
どちらの塾かは存じませんが、確かに塾独自の情報って役に立つものも多数ありますよ。
持ち前の図々しさを炸裂させて
「最小限の出費で最大限のメリット」を享受して下さい。
役に立たないブログだけれど私も見守っていますよ。
・通りすがり様
ありがとうございますっ!
そうなんですよね。塾の先生は、その道のプロですからね、もう、お言葉一字一句が宝ですよ。「ためになる」っていう所もあるんですが、「やる気引き出す」系の言葉もあるんで、hanaには「先生の話を全部インプットしてきて!」ってお願いしています。
ありがとうございます。図々しくいきますよ。貧乏っつったらこれしかないですからね。
どんな切り口で突っ込んでいこうかって、戦略練っていますよ(笑)
ぜんっぜん役に立たないネタばかりで申し訳ないんですが、見守って下さって心の底から嬉しいです。ありがとうございます。
受験生の天王山、後悔の無いよう、乗り切っていきます。