娘を愛していると。可愛くて仕方がないと、そう思っていた。
娘のためなら、どんなことでもできる。そう思って、生きて来た。
だけど、娘の方は、母親から愛されていると、幸福だと思っていなかった。
母親の存在が、ママ子の存在が、娘をそこまで追い込んでいたなんて、気が付かなかった。
娘との口論の末に、彼女の口から飛び出した言葉で、全てが露わになった。
自分は、毒親認定です。
中学1年生。毒親に怯えて、娘はずっと、我慢していた。
本人の意思だと思っていたこと。
「偏差値の良い学校に行くこと」
「通塾すること」
「良い成績をとること」
ママ子は、何度も、何度も問い直した。
ママ子:「アンタの人生なんだから、自分で選びなさいよ。お姉ちゃんと同じように生きていかなくても、アンタはアンタで、自分の好きな道を見つけて欲しい。」
何度もそう話して、育てて来たつもりだった。
しかし、次女nanaは、
「塾に行く」
「偏差値の高い学校に行きたい」
「〇〇大学をめざしたい」
と、返答してきたので、
”実際は勉強嫌いなのではないか”と、ママ子は心の中で葛藤しながらも、我が子の目標達成のため、夢の実現のため、必死になって応援してきた。時には心を鬼にして。
もしかしたら、中学受検も、本人の意向ではなかったのかもしれない。
nanaが、望んだことならば、と。
心を鬼にして、良い成績を取るためにどうしたら良いか、アドバイスもしたし、ホワイトボードでママ子自己流の授業も行った。
「そう言えば親が喜ぶから」本心ではないことを言う子ども
nanaの本心ではなかったのだ。
ママ子が喜ぶ答えをいつも探して、次女nanaは、答えていたのだ。
全てがウソであり、ママ子はその言葉を聞いて、鵜呑みにして「満足」していたのだろう。
自分のやりたいことも制限されて、
嫌いな勉強をさせられていたのだとしたら、
どんなにかツライ人生だったんだろうか。
まだ10代ちょっとの子どもが、いや、もっともっと幼い頃から、
「親の喜ぶ言葉」をチョイスしなければならない現実に、縛られていたとしたら、
どんなに苦しかっただろうか。
リビング学習 ⇒ 四六時中、親に見張られる地獄
我が家は、貧乏で賃貸の狭小住まい。
本当に部屋の数が少ないので、子ども達の個人の部屋も存在しない。
ママ子の仕事部屋兼・子ども部屋があるが、
高校受験期からは、長女hanaがその部屋を占領しており、
必然的に次女nanaは、ずぅーっとリビング学習である。
⇒ やっぱり苦しいリビング学習!受験生hana、図書館学習にハマる。
ママ子は、英語の勉強をしながら(ほぼ居眠りタイム)、次女nanaと同じテーブルで学習していた。
時折、次女nanaのカワイイ横顔を見ることを楽しみに、勉強していたつもりだった。
勉強中に顔を上げた時、目が合うと笑い合える、そんな喜びを、ママ子は幸せだと、嬉しく思っていた。
しかし、ある日のこと。
些細な口論から、次女nanaは、本心を言い放った。
nana:「自分はずっと居眠りしてるくせに、私がちょっとペンを置いただけで
”どうした?”ってママは言うでしょ。
そうやって、ずぅーっと見張られてる私の身にもなってよ。」
唐突な言葉で、何を言われているか、わからなかった。
え??見張ってた?
この私が、見張ってたって言うの?
いつも集中していないなぁ・・・とは思っていたけれど、見透かされていたのか?
ママ子としては、決して見張ってたわけではなく、
「ほっぺがふっくらしているなあ」
「爪イジリすると、爪の形が悪くなるよなあ」
とか、本当にnanaを見ていられることが、幸せで、嬉しかっただけなのに。
実際は、見張られていると、そう、nanaは感じていたのだ。
ずっと・・・ずっと・・・
それが、nanaにとっての現実だったのだ。
ママ子がリビングで一緒に勉強することは、次女nanaにとって、地獄であったのだ。
ママ子は、勉強を一緒にすることで、「我が子の勉強の大変さ」を共有しているつもりだったのに、
nanaにとっては、
居眠りばかりするバカ親に四六時中見張られているという、地獄であったのだ。
自分が毒親だということを、認めるしかない。
ママ子は、自分がそこまで我が子を苦しめていただなんて。
愛する我が子を、そんな目に遭わせていただなんて。
思いもよらなかったし、そんなつもりは全く無かった。
しかし、次女nanaは、苦しんでいたのだ。
現実問題に、我が子を苦しめていた要因が、ママ子であったのだ。
だから、
だから
もう、母親として、失格だし、何をしていけば良いのか、考えねばならなかった。
ママ子:「じゃあ、ママ、nanaの勉強中は席をはずすね」
そう言って、避難することにした。
我が子の視界に入らないようにすることが、今のママ子が、nanaにしてあげられることなのだ。
母親の役割は、人それぞれ。自分の過干渉を反省。
ママ子は、ショックから立ち直れないでいる。
今も、
次女nanaの言葉が頭から離れない。
普段通り、元気な声を出して話すことはできるが、目をしっかりと合わせることが難しい。
カワイイ、愛する自分の娘が、とても遠く感じた。
これから、この子のために、自分は何ができるだろうか。
nanaの気持ちとしては、
母親は「すっこんでろ!」ってことなんだよな。
もう、過干渉をやめてほしくて、
巣立ちたいと思っているし、
今までものすごく我慢してきたんだろうな。苦しかっただろう。
辛い思いをさせてしまっていたことが、身を切られるほど、ママ子には痛かった。
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ママ子が、今、次女nanaにしてあげられること。
ママ子が今、nanaにしてあげられることは、解放してあげることだ。
その他には、
・ご飯をつくること、
・掃除、
・洗濯。
最低限の生活のサポート。
シンプルに、それだけを提供して、コミュニケーションをとる事を控えようと思った。
溺愛しすぎていた自分を恥じたし、本当に本当に、悪いことをしたと思う。
しかし
「なぜ、本当の事を言ってくれなかったの?!」
という、自分勝手な言葉も、未だに心の中で燻っている。
言わなかったのではない、nanaは、「言えなかった」んだろう。
ママ子の存在が、自分の存在が、愛する我が子の害悪であったと、思い知った時、
こんなにも、放心状態になるんだな、というほど、放心したし、一人になると涙が出て来て、止まらなくなる。
親子関係が修復できるまで、見守ることに注力します
次女nanaが、ママ子を許すか許さないか、わからない。
もう、嫌われちゃって、この先ずっとママ子のことが嫌いで「縁を切りたい」と言われるかもしれない。
わからないけれど、
ママ子はもう、勉強のことも、私生活のことも、口出しをしないように、見守ろうと思う。
もちろん、よそ様にご迷惑かけることや、命の危険にさらされる危ないことは、保護者として注意していくつもりだけれど。
親子関係が修復できるようになるには、
ママ子が黙る事が、離れることが一番だよね。
子離れする時期って、人それぞれだと思います。
ある日突然やってくる。
この日が来た、って。
涙が止まらない程寂しいけれど、ママ子は、子離れしなくちゃ、いけないね。
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