もう無理・・・ママ子は壊れそうだった。
他人への憎しみが湧きそうになると、ママ子は自分を責める。他人を嫌いだと思うママ子が悪いんだ、っていつも思う。負の感情を抱いた時は、一人で泣くのが正解だと思っているママ子。ママ子は自分の無能さに、無力さに涙を流した。誰にも言えないことを、ぐっとこらえると、勝手に涙が出て来てしまう。
ママ子、料理中にキッチンでストロングゼロかウィスキーを飲むのが日課。PTAの辛い事が多い中、酒の量も増えてった。辛い思いを全て酒を飲むことで忘れたかったし、酒を飲めば、楽になれるってゆーか、誰にも言えない思いを酒で飲み込んでたんだ。いよいよキッチンドランカーですなぁ・・・
辛くて苦しい。。そんな素振りを見せたつもりもなかったんだけど。
先日、パパ男の仕事がお休みの日に、パパ男が美味しいビールを買って来てくれた。
パパ男:「ママ子ちゃん、一緒に飲もうよ!」って。
ママ子が泣きそうで辛くて憔悴しきっている精神状態を察したのか。表ではバカ笑いして子供達に接しているママ子の内心を見透かしてたみたいに。
ママ子:「えー?!パパ男クンはお酒弱いんだから、無理しないでいいよ」
パパ男:「今日は休みだし、ママ子ちゃん飲まないなら、ボクは飲みたいから一人で飲んじゃうよ~」
パパ男は前から心配してくれてたの。「ストロング系は身体によくないよ」とか、ママ子が酔っ払って寝ている写真を撮って子供達に見せたりして、どうにかしてお酒をやめさせようとしていたのかもしれない。
ママ子:「わぁ~!オリオンビールだ!凄いね!!これ高いじゃんよー!」
パパ男:「ハイ、かんぱーい!」
美味しいビールを、ガラスのコップに注いで、二人で飲む方が断然良いことを、パパ男は暗に伝えようとしてるんだと思った。酔うためだけの安い酒を毎日飲んで、死んだ目をしているママ子の姿は、どんなに醜かっただろうか。
とっても美味しいビールだった。
味もへったくれもない酒を浴びるように飲む時とは違って、「味」がした。美味しい味がしたのだった。
ママ子:「もうさ・・・嫌になっちゃうよー」
パパ男:「どうしたの?ほら、聞くよ。」
言ってもわからないバカみたいな案件を、ママ子がしゃべりだした。
口をはさむパパ男に、正論かざそうとして反論。こーゆー時って、アドバイスなんかいらないんだよね。ただ聞いて欲しいの。
パパ男は、クソつまんないであろうママ子の話を、延々と聞いてくれた。おかげで、少し、救われた気がしたのだ。
ママ子:「ありがとう、パパ男クンに助けてもらった。すごく、助かった。」
本当に命拾いをしたようであった。人格全否定されたような、恥と、無力さでサンドバック状態にされているような今の自分を。
世界中が全員敵だったとしても、一人だけは、それでも良いよ、って言ってくれる人がいる。
パパ男が旦那さんで、本当に良かったと、心から思った。
こんなダメ人間なのに、いっしょにビール飲んでくれてありがとう。
夫婦の会話で幸せを感じた40台のオバサン。
もう少し、頑張ろう。あと少し。我慢だ。。もう少しだけ。我慢だ。
・・・
「おいおい、ふざけんな!ノロケかよ」
「MOETのワインで毎晩乾杯しています。」
「被害者ぶってんじゃねーよ、バーカ!勉強の話ゼロかよ!!」
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