ブックレビュー。『舟を編む』

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エアコンの掃除。

hanaが、最近アレルギーのような、喘息のような状況が続いて、病院に通っていたのだが、「ハウスダスト」ではないかと言われ、必死こいて日々家の中を大掃除している。

もちろん、ぐうたら専門のママ子だけど、毎日掃除機はかけてるし、週に2,3回はトイレ掃除もするし、クイックルワイパーも常備して気が付いたらササーっとやるようにしてるし。
それでも埃が舞う時もたまにあるけど・・・さ。髪の毛おちてる事も・・・けっこうあるけど。
お布団だって、晴れた日は極力干すし、枕カバー布団カバーも毎日ではないけれど、アバウトに数日ごとに換えてる。

なのに、hanaがアレルギーになっちゃった。

これまでの子育てで、神経質な事はしなかった。強くなるように、って。

赤ちゃんの頃は、スリッパ齧って、難しい顔をしてた事もしばしば、ある。

大事なhana。大事に大事に育てて来た私の子。

病院で、引くほどたくさんの薬を処方されて、ちょっと凹んでいるママ子。

そんでもって今日は、ブックレビュー。

 

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hanaが、借りて来た本を拝借。

hanaは、よく学校の図書室からも本を借りる。近所の図書館、学校の図書館。図書館フル活用である。

以前より、読みたかった本が、置いてあった。寝室の畳の上に。

『舟を編む』

三浦しをんさんの作品である。

国語辞典を作る話なので、非常に興味があったが、「文庫本になってから」などと悠長に構えていたら、映画化。大好きな松田龍平さんが主役と聞いて、これは!これは!本読んで十分妄想してから映画で昇天したいと勝手に計画。しかし、相手役の「香具矢(かぐや)」という女性の役が、宮崎あおいちゃんと言う事を知り・・・

なんていうか、宮崎あおいさんが悪いとか、全然そういうんじゃないんだ。アノネ、違うの。

ママ子のイメージがもっとこう、ね。違うんだよなあ・・・って気持ちになってしまい、松田龍平さんと宮崎あおいさんのツーショットに、自分勝手にふてぶてしく嫉妬しながら、読む気を無くしてしまった。

もっとこう、ママ子が大好きな松田龍平さん持ってくるんだったらママ子が絶望的に負けだと思う、北川景子ちゃんとか、沢尻エリカさんとか、菜々緒さんとかね、アノ、そういう、強烈な美人が欲しかった。

「ふざけんな!宮崎あおいチャンにも、破滅的に負けてんだろーが!!!」

「つーか、同じ土俵に立つなバカ!!!」

っていうツッコミ、ね。ウンウン、ゴメン。。わかってる、わかってるの。

40もとうに過ぎたオバさんのキモイ乙女心、無理やり受け止めてくれなくてもいい。

そうやってバカな年月を過ごしてしまったせいで、平成24年の本屋大賞受賞から6年後の、平成30年8月、松田龍平さんへの変な失恋と、宮崎あおいちゃんへのお門違いな嫉妬心を乗り越え、ママ子はようやっと・・・『舟を編む』を手にとることができたのである・・・

しかも、hanaが図書館から借りて来た事に便乗して。

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丁寧に読みたい一冊。

まず、アレだよね。前評判・・・凄すぎた。

一応、ママ子はミーハーなとこあるから、売れてる本は、ちょっとチェックしたい。ただ、立ち読み程度にするのか、じっくり読みたいのか、は、やっぱり本屋さんで確認したい。あ、新しくないものだったら、図書館もしかり。

ただ、『舟を編む』は例外である。

1、ママ子が好きな作家、三浦しをんさん

2、内容によっては、ドハマりしてしまうだろうな、って予想しちゃう。アブアブ感がある。

この二点こういうものは、慎重に対応することにしている。

ママ子の感情移入は、異常ともいえる。そーとーな妄想を繰り広げるので、自由にやらせて欲しいし、ハマらせて欲しい。ママ子の要求を叶える本にはなかなか出会えない。

これに対して、電車に乗ってると、すっげーー車内広告で気になっていた本ね。

『コーヒーが冷めないうちに』

『この嘘がばれないうちに』 川口俊和さん著

っていう作品は、ママ子、ザザーっと、割と軽めに一気に読んでしまった。もちろんちょびっと泣いちゃう場面もあったが、ううーん。「四回泣けます」は、無いな。あるあるがいっぱい。なんなら立ち読みで済ませたかった。ファンタジーな部分もあったから尚更である。軽い感じで読めた。今、うちの次女nanaがハマって読んでるけど。

なんか、

『舟を編む』は、のっけから、ママ子の心が

「丁寧に読ませて欲しい」

と、思っていた。

ある程度の時間が欲しい。ちゃんと読みたい、という気持ちがあった。

もう、本当にね。ナイスなタイミングで、hanaが借りて来てくれた。

hana:「いやあ、いっつも貸し出し中だから、ラッキーだったよ!」

って言ってさ。

 

言葉を愛する人に。

読んだよ。読んだ。

ママ子は、「大事に読みたい」と思った本は、一日でぶわーっと読了することはしたくない派。

ゆっくりその世界に浸りたいのだ。

何から話したらいいんだろう、って思うほど、この本には、ママ子の「好き」が詰まっていた。

「大渡海」という国語辞典の編纂をする話、と言ってしまえば、そこまでなんだけど、その中で色々な人間ドラマが展開されている。美しい話だなあ、って思ったのが第一印象。

ママ子は偏差値低い大学を出たけど、日本文学を学び、「ことば」を学び、卒論も、言葉、語彙にこだわったものを書いたので、非常に興味深かった。

登場人物の言葉遣い、言葉への思いめぐらすあの感情は、ママ子の古い古い風化した時代、昔の自分を少しだけ思い出させてくれた。もちろん、あそこまで言葉に対してこだわったりしていなかったけど、ああいう、言葉を丁寧に考える事ができる人たちを心から尊敬する。美しい日本語を使って会話をしている場面は、本当にママ子、愛しい昔の時間を思い、涙が出た。

「おいおい、そこで泣く??」

ってところで泣いちゃうのが読書であって、それを許してくれるのも読書。それが宝物になるのもまた読書であるのだ。

ママ子はやっぱり映画よりも読書が好きだなあ・・・って思ったのだ。

そして、もう一つ。

読んでいて、どんどん胸が痛くなったのも事実。読み進めるごとに胸が痛くなる。言うなれば、

「まじめさん」という主人公の同僚の「西岡さん」にも、ものすごく感情移入した。この物語の中で、一番ママ子が感情移入できたのがこの人。主人公は、言葉に没頭し、辞書編纂に命を燃やす、まっすぐ夢中になれる人である。それはもう主人公にふさわしい。憧れの人だ。

対して「西岡さん」は、軽薄というイメージがピッタリの営業マン。ヘラヘラしているが、自分の中の、どこか冷めている部分、自分に絶望している部分を持っているところが、まさにママ子が自分を重ねた部分である。いや、本当にいい奴です。営業マンとしては天才なんじゃないかな。まじめさんとの友情がまた、良い感じで。最後のパーティの部分とかね。

ママ子は昔から、国語辞典が好きだったので、辞書を編纂する話を読む事ができて、本当に嬉しかった。もっとカッコいい言葉使いたいな、って思う。主人公や登場人物みたいに、スラスラ―っと言葉が出てきたらいいのにな、って思う。

読んでいて、すごく気持ちよかった。美しい日本語、正しい日本語。言葉が、飛び交っていて、それがもう、気持ちよくて気持ちよくて、ママ子はもっと聞かせて欲しい、って思うのと、

「あー、やっぱ、もっと勉強してればよかったなぁ・・・」

って思った。

持ってる知識の量に比例して、人生が豊かになるんじゃないか、って勘違いしそうになる。

それぐらい、語彙力が無い自分が恥ずかしく思ったし、「言葉っていいなあ」って思った。

 

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すぐにまた読み返したくなる本。

読了後、すぐに読み返したくなった本は、この本が初めてかもしれない。

「もうちょっと経ったら、また読もう~!」

って、思う本なら、たくさんある。

だけど、この本は

「あ、あの部分、もう一回読みたい」

「なんだっけ、なんだっけあの言葉」

もう、書かれている言葉をリアルに使ってやろうっていう、ママ子の下心が見え見えになっちゃうんですが、すぐに読み返したくなるほど、素晴らしかったです。

確認作業も必要。

香具矢ちゃんの魅力を、もう少し確認したい、ってのもある。

もちろん素敵な子なんだけどさ。

やっぱ「美人」じゃないと成り立たないよなーー、って部分、多いよね。

ストーリーとして、「美人」な登場人物は、絶対的なのだ。

「いや、男って美人好きだよねー。」

「女だって、イケメン好きだろーが。」

の、やり取りになって来るんですが。

たしかに、小説にもイケメン求めてしまうもんね。

美しいっていうのは、最強なのかもしれない。

あー、ちょっと待って、そういう事言いたいわけじゃないんだけど。

とにかく、この本は、購入したいと思った。

しかも、文庫本じゃなく、ハードカバーで。

もうね、「大渡海」への愛情が溢れちゃって。今回、ハードカバーでhanaが借りて来てくれたので、読書後は、涙を流しながら、本を撫でたよね。撫でまわした。

「よくぞ。。。頑張ったよね、アンタ・・・」つって。

クリーム色のページを愛おしく、めくった。紙質を辞書で確かめた。「ぬめり」感を確かめた。

 

キモいオバサンの、ブックレビュー、これにて終了です。

あーもうなんか、違うんだけどなー。

こういうキモイ感じにしたくなかったんだけど。

美しい文章が書けない、バカママ子、今日もこの辺で失礼します。

ドス・バーイ(←グッバ-イ)!

 

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コメント

  1. yocchi より:

    近所の医院で5千円ぐらいで、血液検査(業者に委託するので、結果は後になるけれど25種類ぐらいの要因に対する数値が出る)アレルギー検査しました。
     長男は 杉とヒノキが最高値(6)。
     次男は 「ハウスダスト」と秋の花粉症(ブタクサか何か失念しましたが)で、秋になるとぐずぐず。
     私は喘息で、咳が出ない時もステロイドを吸入しています。一度咳始めると長い間止まらないので、最初から出ないように、夏場も弱いものを吸引 季節の変わり目や咳が出たときは強いステロイドを吸引しています。血液検査をしてもらって、本当の原因をはっきりさせてもいいとおもいます。掃除することはいいことですが・・・。

    • mamako より:

      ・yocchiさま

      ありがとうございます~!
      我が家もやってもらおうかな・・
      自己申告して血液検査をやって頂くんですね。

      yocchiさまも喘息で苦労なさっていたのですか・・・
      なってしまったものはしょうがないので、改善できる手立て・原因を突き止めて対策する方が賢明ですね。

      有益な情報、本当に助かりました。
      いつもありがとうございます!!